アルマンディン/ロードライトガーネットのトリビアから

■多くの宝石研究者や好事家の間で大議論になっていることに、コナン・ドイルの探偵シャーロック・ホームズ・シリーズ『青いカーバンクルの冒険』論争というのがあります。
ある伯爵夫人所有の”青いカーバンクル“が盗まれて行方知れずとなり、報奨金を1,000ポンド(当時価で約800万円)まで掛けて探すが見つからない。

要は「カーバンクル」をどう訳すかです。
標準的に「ガーネット」と訳せば、ガーネットに青色はないからおかしい。
「赤い宝石」と訳せば単純な言語矛盾となり、「ルビー」と解せば青いサファイアが同鉱物であること大作家が知らないことになり、一方で、コナン・ドイル先生の宝石不勉強説、はたまた当時話題の呪われたブルーダイヤモンド「ホープ」伝説にあやかり説・・・・・。


そのことは、かの19世紀屈指の宝石商エドウィン・ストリーターが自著で”証言”しています。
それほどレアであれば、報奨金1,000ポンドは頷けるし、ドイル卿とストリーター卿はまさに同時代の同じ英国人、名士同士の接点があったのかもしれません。

■数少ない日本のアルマンディンガーネットの産地に、福島県石川町地区があります。
アルマンディンの他にベリルや長石等の珪酸塩鉱物、そして稀少なウラニウム系鉱物も産出しました。
大正から昭和初期、連戦連勝の日本軍部は、この地で核兵器の研究開発を行った経緯があります。
敗戦と同時にそれは立ち消えとなりますが、ガーネットの探索は熱心なアマチュア・マイナーの間で今でも盛んです。